1時間に1度の笑いを No.123
笑う門には福来たる。大脳は、楽しい状態でのみ、大きな機能を発揮します。
体の維持、自浄に‥ 楽しい気分で読んで下さいね。
座敷牢
息子の吉原通いがはげしいので、座敷牢をこしらえると、退屈だから、そこで手習をするという。
よい心がけだと、紙、墨、筆を渡すと、息子は紙をつぎ、のれんにこしらえて、
丁子屋、竹や、蔦や、などと書きつけ、江戸町のつもりで、まん中を鼻唄で行ったりきたり、
のれんに顔をさし入れて、馴染みの女郎と話をかわす気になって独言をいっている。
そこへ女中が、
「モシ、御膳をおあがりなさい」
息子はびっくりしてふり返り、
「コレ、ここで逢ったことは、内証だぞ」
(宇野信夫『小話百選・お笑い帖』)